国公立大生が大学受験までに読んだ本 -高校生編-
読書量と学力の相関関係は自覚していません。
しかし私が受験生の頃、国公立大学に合格した学生はどんな本を読んでいたのか気になっていました。
そこで私の読書遍歴を残しておこうと思います。
そして、私は幼少期読書嫌いだったのですが、今では読書が好きになっています。
その変移は読書が苦手な人の参考になるかもしれません。
読んだ本の中から特に印象に残っている本をとりあげます。
今回は高校生編です。
高校生では新書など小説以外の本もよく読むようになりました。
14歳からの哲学/池田晶子
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この本に関する詳しい内容は下の記事に書いています。
考えるということを一緒に隣でやってくれるような本です。
高校受験が終わった春休みに読みました。
池田晶子さんの本は言葉を追っているだけで心が軽くなっていきます。
書いてあること以前に言葉に力が宿っているような感覚です。
疲れた時には彼女の著書「考える日々」を読んでいます。
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ちょっと今から仕事やめてくる/北川恵海
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あらすじ
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。
同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。
なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――
働く人ならみんな共感! スカっとできて最後は泣ける"すべての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー"
私が書店で手にとった本の中で「これは面白い!!」と初めて思えた本でした。
この頃から、書店に行くようになったんですね。
さくっと読める小説で月並みな感想ですが、「ヤマモト」に元気をもらいました。
続編も出ていますね。早いうちに読みたいです。
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それからは北川恵さんの小説に読むようになり、「ヒーローズ(株)!!!」シリーズは二作目まで読みました。とっても元気がもらえますよ。これも早いうちに最新刊まで読みたいです。
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人を奮い立たせるリーダーの力/平尾誠二
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部長になったためこの本にはお世話になりました。
しかし、リーダーだけではなく万人に通ずる生き方の話です。
語彙力こそが教養である/齋藤孝
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その一言に知性は滲み出る。誰でもできる珠玉の言葉を血肉にする技術。
語彙が豊かになれば、見える世界が変わる。
教養あふれる大人になるための、実践的「語彙力向上講義」。
本書は語彙力の向上を目的とした本ではありません。
語彙力の重要性を説いているのです。
私自信、漢字やことわざ・四字熟語などを真面目に勉強してこなかったものですから、語彙力には自信がありません。
この本を読むたびに学習意欲が高まります。
知的好奇心が刺激されるのですね。
何かあるたびにこの本に戻ってきて、自分に火をつけます。
大学受験に強くなる教養講座/横山雅彦
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英語・現代文・小論文は三位一体である。本書は、受験評論に共通するテーマである「現代」を、六つの角度から考察することで、読解の知的バックグラウンド構築をめざす。
英語講師である横山雅彦さんの著書です。
さて、「大学受験に強くなる」と銘打っているので内容は気になりますね。
したに目次を挙げておきます。
・還元主義を越えて
・言語とコミュニケーション
・脱工業化の到来
・ポストコロニアルな世界史
・アメリカ化する世界
・現代民主主義の逆説
一言で言うと、受験勉強では考えない外の世界を覗かせてくれます。
こんなことを考えてなかったなぁ。考えていかないとなぁ。面白いなぁ。
と興味津々で一気に読み進めてしまいました。
大学生になった今でもまだまだ勉強になることばかりでお世話になっています。
そして、本の中ではたくさんの本が紹介されているので、たくさんの世界への入り口を用意してくれているわけです。ありがたいですね。
折り返し点ー1997~2008/宮崎駿
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『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』から最新作『崖の上のポニョ』まで―企画書、エッセイ、インタビュー、対談、講演、直筆の手紙など60本余を一挙収録。宮崎駿12年間にわたる思想の軌跡。
宮崎駿のインタビューやエッセイをまとめた本です。
制作段階の詩などから何を考えて作ったか。など522ページにわたって語り尽くされています。
私は「もののけ姫」が好きなので、当時のインタビューはよく読み返します。
宮崎駿の自然観は今こそ我々世代が考え直さなければならないことが詰まっているように思えます。
上記の池田晶子さんの著書と同じように、文字を追っているだけで心が洗われていくように感じます。
大切なバイブルの一つです。
宮崎駿の他の著書「風の帰る場所」なども読みたいですね。
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疲れすぎて眠れぬ夜のために/内田樹
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疲れるのは健全である徴。病気になるのは生きている証。サクセスモデルへの幻想を棄てて、「1ランク下の自分」を目指しませんか? ささやかなことで「幸せ」になれるのは1つの能力です。まずは身体の内側から発信される信号を聴き取ること。真の利己主義を目指すこと。礼儀作法と型で身を守ること。家族の愛情至上主義をやめること──。今最も信頼できる哲学者が、日本人の身体文化の原点に立ち帰って提案する、最強の幸福論。
私たちは もっと良い自分。もっとすごい自分。を目指すべきだと言い聞かされて育ってきました。
実際にそう思っているかどうかは人によるかもしれません。
しかし、実際にそう思うことで苦しんでいる人には是非読んでもらいたい一冊です。
私自信、この本を読んで頭が少し柔らかくなりました。
内田樹さんの生き方や考え方から「そんなのもありなんだ」と思わせてくれる一冊です。
内田樹さんの著書はいくつか読みましたが、「困難な成熟」や「そのうちなんとかなるだろう」「修業論」なども面白かったです。
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砂漠/伊坂幸太郎
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この一冊で世界が変わる、かもしれない。仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。麻雀に勤(いそ)しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡で出来ていた――。 明日の自分が愛おしくなる、一生モノの物語。
「こんな大学生活送りたい」そう思える一冊です。
小説の中の日常は本当に輝いて見えるんですよね。
仲間がいて、冗談が言い合えて。
コロナ禍で未だに大学に通うことができていないので、もう一度読み返して新鮮な風を心に吹かせようかと思っています。
それほど、心に残る作品です。
伊坂幸太郎さんはたくさんの小説を出さているなか「死神の精度」「火星に住むつもりかい」を読みましたが、どちらも面白かったです。
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解夏/さだまさし
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病により徐々に視力を失っていく男。故郷の長崎に戻った彼の葛藤と、彼を支えようとする愛する人との触れ合いを描く表題作「解夏」他、全4作品。人間の強さと優しさが胸をうつ、感動の小説集。
私は恥ずかしながら、解夏の表題作「解夏」しか読んでいないのですが、これがまたとっても良いんですよ。
100ページほどなのですぐに読み終えることができます。
しかし、すぐに読み終わってしまうのがもったいないくらいに、じっくりと味わいたい作品なのです。
この作品における「解夏」の意味がわかった時、心がじんわりと温かくなります。
ナナメの夕暮れ/若林正恭
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オードリー若林、待望の新エッセイ集!
『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。
雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書き下ろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編!
ゴルフに興じるおっさんなどクソだと決めつけていた。
恥ずかしくてスタバで「グランデ」が頼めない。
そんな自意識に振り回されて「生きてて全然楽しめない地獄」にいた若林だが、四十を手前にして変化が訪れる――。
ゴルフが楽しくなり、気の合う異性と出会い、あまり悩まなくなる。
だがそれは、モチベーションの低下にもつながっていて……
「おじさん」になった若林が、自分と、社会と向き合い、辿り着いた先は。
キューバへの旅行エッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』では第三回斎藤茂太賞を受賞。
「生き辛い」と感じている全ての人に送ります。
本書の中で強烈に印象に残っている内容があります。
「世の中に出回っている自己啓発本は茶帯が黒帯になるための本。自分のような見学にきた体操着姿の奴が黒帯になる方法なんて書いていない」
正確ではないですがこのような趣旨のことが書いてありました。
この意味で言えば、「ナナメの夕暮れ」は「見学にきた体操着姿の奴」の苦しみを理解してくれて、「でもこんな風にも見えるよ」とそっと手を差し伸べてくれる。そんな本です。
この本も何かあるごとに帰ってきては、文字をって心を落ち着かせています。
等身大の文章がとても良いのです。
若林さんの他の著書「社会人大学人見知り学部 卒業見込み」「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」も是非読んでみたいものです。
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おわりに
この本を読めば国公立大学に合格できるといった趣旨で書いたわけではありませんが、どんな本を読んでいたのか参考になったのなら嬉しいです。
私もあなたもこれからも面白い読書体験をできることを願っています。